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【防犯カメラの完全ガイド】タイプ選び・設置場所・保存日数・費用相場まで一気にわかる
2025年11月15日「敷地に不審者が入る」「駐車場のイタズラが続く」「店舗の万引きを抑えたい」——こうした不安を確実に可視化するのが防犯カメラです。
結論:“何を証拠にしたいか”→必要な画質・夜間性能→録画方式(保存日数)→設置位置と台数→予算の順に決めると、ムダなく効果的に導入できます。本記事では家庭・店舗・オフィス・倉庫での実務に即して、タイプ選びから費用相場・設置・法令注意点までをわかりやすく解説します。
防犯カメラの基本(押さえるべき4要素)
1) カメラ方式
- IP(ネットワーク)カメラ:LAN/PoE配線。高解像度(4MP〜4K)、多機能(AI検知、アプリ連携)で拡張性◎。新設なら第一候補。
- アナログHD(AHD/HD-TVI/HD-CVI):同軸配線でコスパ◎。既存同軸を活かしたリプレースに有利。
- Wi-Fiカメラ:配線が難しい場所向け。電源は必要。電波環境の安定性が要確認。
2) 解像度とレンズ
- 解像度:人相・ナンバーを狙うなら4MP(2560×1440)以上、出入口の顔認識は4Kが理想。
- 焦点距離:
- 広角(2.8mm前後):駐車場・庭の全景
- 標準(4〜6mm):出入口・通路
- 望遠(8〜12mm以上):門扉・ナンバー特化
- バリフォーカルなら後から画角調整OK。
3) 夜間性能
- IR(赤外):白黒でも暗所を確実に記録。距離(例:30m/60m)を確認。
- カラー暗視(スターライト/低照度カラー):街灯ありの環境なら色つき録画で証拠力UP。
- WDR:逆光の出入口で顔が黒潰れしない。
4) 録画方式
- NVR(IP)/XVR(アナログ):ローカル保存の王道。LAN/同軸で複数台集中管理。
- クラウド録画:遠隔地バックアップに強い。通信量・月額費を要確認。
- SDカード内蔵:単独監視が手軽。盗難・破壊時に弱いため重要箇所は併用推奨。
目的別のおすすめ構成

玄関・出入口(顔を確実に)
- 4MP〜4K/WDR強め/標準〜やや望遠レンズ
- マスクでも目元が判別できる**画角(高さ2.2〜2.8m/斜め過ぎない)**に設置。
駐車場・敷地全景(動線の把握)
- 広角×2〜3台を重ねて死角を解消。
- AI人検知/車両検知で通知のノイズを削減。
ナンバー特化(出入口や狭い門)
- 高シャッター速度+望遠。IR反射や逆光に注意。専用LPR機がベター。
店舗レジ周り(手元と顔)
- レンズはやや望遠、WDRで白飛び防止。音声録音は地域のルールと掲示に注意。
保存日数の考え方(超簡易の目安式)

- 目安ビットレート(H.265):
- 4K:6〜10Mbps/台
- 4MP:3〜6Mbps/台
- 2MP:2〜4Mbps/台
必要容量(GB) ≒ 12.5 × ビットレート(Mbps) × 24時間 × 日数 × 台数
(動体検知やVBRで30〜60%削減可。ログの信頼性重視なら連続録画+動体マーク併用がおすすめ)例:4MP×4台、平均4Mbps、14日保存
12.5×4×24×14×4 ≒ 6,720GB(約6.7TB) → 8TB級NVRが安心。
ネットワークとセキュリティ
- PoEスイッチで配線をシンプルに。屋外は防水ジョイント必須。
- 外部アクセスはクラウドP2PかVPN推奨(ポート開放は避ける)。
- 初期ID/パスの変更、二段階認証、ファーム更新を運用ルールに。
- VLAN分離で社内ネットと切り離すと安全性UP。
法令・プライバシーの注意点(日本)
- 目的外利用の禁止、撮影範囲の最小化、録音の要否確認。
- 設置の掲示(ピクト/掲示板)で撮影中であることを明示。
- 近隣住宅の生活空間を直接映し続けない(画角調整・マスキング機能の活用)。
- 映像の保管期間は必要最小限、アクセス権限を限定・ログ管理。
費用相場(機器+設置・税込目安)
規模/用途 構成例 目安費用 戸建エントランス+駐車場(2〜3台) 4MP×2〜3/NVR2TB/アプリ遠隔 15万〜35万円 小規模店舗(4台+レジ周り強化) 4MP×4/NVR4TB/屋外2台 25万〜60万円 駐車場・倉庫(6〜8台) 4MP×6〜8/NVR8TB/PoEスイッチ 45万〜120万円 既存同軸活用のリプレース AHD 2〜8台/XVR 台数に応じて20%前後抑制可 追加になりやすい項目:高所作業、屋外配管(PF・VE・モール)、長距離配線、PoE延長器、コンクリートコア抜き、サージ保護、看板・照明連動。
施工の流れ(標準)
- ヒアリング(被害状況・目的・検知シーン)
- 現地調査(動線・高さ・電源・配線ルート・電波)
- 提案・見積(平面図に画角配置/保存日数/ネット構成)
- 施工(取付→配線→設定→試写)
- 検収(昼夜テスト・通知調整・マスキング設定・アプリ導入)
- 運用(障害時の連絡窓口・定期点検・ファーム更新)
工期目安:2〜4台=半日〜1日、5〜8台=1〜2日。
“効く”設置のプロTips
- 高さ2.2〜3.0m:顔と手元を両立(高過ぎると顔が分かりづらい)。
- 斜め45°前後で逆光を回避、WDRを併用。
- 夜間は補助灯(常夜灯・センサーライト)でカラー暗視の証拠力UP。
- ダミーカメラだけは非推奨:抑止効果は限定的、証拠は残らない。
- 看板・サインを入口動線に設置して抑止×周知をセットで。
導入前チェックリスト

- 目的(顔/ナンバー/全景)が定義できている
- 画角図と保存日数の試算がある
- 夜間の照度とIR/カラー暗視の要否を決めた
- 遠隔視聴の方式(クラウドP2P or VPN)を決定
- 掲示物・マスキング・権限設定の運用方針がある
- ファーム更新・アカウント管理の責任者が決まっている
事例イメージ(要約)
- 戸建駐車場:4MP広角+赤外60m→夜間の部外者侵入を検知、通知で即時確認。
- 小売店:出入口4K+レジ望遠、バックヤードに2台追加→万引き・内部不正の抑止と解明。
- 月極駐車場:LPR対応望遠×2+広角×2→ナンバー照合で苦情対応が迅速化。
よくあるご質問
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どの解像度を選べばいい?
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出入口や証拠重視は4K、バランス重視は4MP。台数が多い現場は4MP×複数台が保存コストの面で現実的。
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何日保存すれば安心?
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家庭は7〜14日、店舗・倉庫は14〜30日が目安。クレーム対応が遅れがちな業態は30日以上を推奨。
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Wi-Fiカメラはどう?
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電源は必要で、電波干渉や距離に影響を受けます。常設・重要証拠なら有線(PoE)を推奨。
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既存の同軸ケーブルは使える?
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はい。AHD/HD-TVIで同軸流用が可能。将来はPoE化も検討を。
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個人情報やプライバシーは大丈夫?
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掲示・範囲最小化・権限管理が肝。録音は目的に照らし慎重に。マスキング機能で近隣配慮を。